総括討論
座長:笹山 優一郎(4年生)
報告者:菊地 雄一朗(3年生)
コメンテーター:松島 健介(2年生)
<報告者レジュメ:菊地 雄一朗>
工事中
<コメンテーターレジュメ:松島 健介>
シエラレオネ―――忘れられた内戦―――
1. シエラレオネという国
面積:7万7140km2
人口:494万9000人(1999年)
首都:フリータウン
民族:メンデ人、テムネ人、リンバ人とクレオール(白人と黒人の混血)
言語:公用語は英語。他にメンデ語、テムネ語、リンバ語など
宗教:伝統宗教45%、イスラム教30%、キリスト教25%
資源:ダイヤモンド、金、鉄鉱石、ボーキサイト、チタン、ヤシ油、カカオ豆、コーヒー
政治:共和制 大統領制首相なし 一院制 憲法を1978年6月に制定85、89、90、91年
一部改正
一人あたり国民総生産:130ドル(1999年)
産業:最大の産業はダイヤモンドの生産
1999年の輸出はダイヤモンドなど629万ドル、輸入は機械など8527万ドル
2.平均寿命が最も短い国
平均寿命は、男:32.95歳、女:35.90歳(1995年)である。
ここでユニセフによるシエラレオネの統計をインドと比較しながら見てみよう。
指標
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シエラレオネ
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インド
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一人あたりGNP
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130ドル(99)
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450ドル(99)
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年間の人口増加率
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1.8%(90-99)
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1.8%(90-99)
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平均寿命
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39年(99)
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63年(99)
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1歳未満児死亡率
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1000人中182人(99)
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1000人中70人(99)
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5歳未満児死亡率
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1000人中316人(99)
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1000人中98人(99)
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合計特殊出生率
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5.9人(99)
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3人(99)
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改善された水源の利用率
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28%(99)
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88%(99)
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成人識字率
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男性45%女性18%(95-99)
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男性71%女性44%(95-99)
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3.内戦へ
解放奴隷クレオールとシエラレオネ
16世紀後半にはイギリスの奴隷商人がシエラレオネに来る。しかし18世紀末にイギリス
の奴隷解放論者が奴隷解放を開始し、1787年に解放奴隷をシエラレオネに入植させた。大
西洋で開放された奴隷はクレオールと呼ばれた。
イギリスはこの地を西アフリカ植民地政策の拠点とした。1827年にイギリスは後に国立
シエラレオネ大学となる学校を創立。ここでクレオールは学び、官吏や企業家などとして
アフリカ各地のリーダーとなった。またクレオールはキリスト教に改宗した。
第一次大戦後クレオールを主導者として民族独立運動が起こり、1961年に独立を勝ち
取ったが、その後40年間、国内の民族間の紛争という悲劇が続くことになる。
内戦の背景
シエラレオネはもともと鉱物資源が豊富で豊かになりうる国。しかし政府は国民の生活
向上のため に資源を利用する政策を取ってこなかった。今、シエラレオネ国民の生活水準
は世界最低レヴェル。ダイヤモンドの利益はすべて戦争にまわされ、恩恵は国民に全くない。
貧困にあえぐ国民、特に将来に希望をもてない若者は反政府勢力を支持し、内戦は泥沼化。
しかし内戦の長引く原因はダイヤモンドの利益が戦争に使われていることにある。その意味
でシエラレオネ内戦はダイヤモンドの大消費地先進国、そして日本と密接に関係していると
いえる。
血塗られたダイヤ
シエラレオネのダイヤ産出量は世界第10位であるが、その品質は非常によくまた、採掘
も容易である。そのため伝統的に非合法な採掘と密輸が横行し、現在ほぼ百%が密輸され
ている。
難民
シエラレオネは世界の8大難民流出国のひとつ
1991年から何万人もの人々が戦乱を避け国外へ避難
計36万人が国外に避難 (ギニアに24万人、リベリアに12万人)
難民受け入れ リベリアから1万7000人
困難な難民支援
シエラレオネ国内の治安状態がよくないため、UNHCRは首都フリータウン近くの難民
キャンプ周辺で暮らす4700人だけしか援助できていない。それ以外の難民は、戦闘地帯
で暮らしている
現在
UNAMSILの活動により、統治体制の確立、治安回復及び軍・警察の体制の確立、ダイ
ヤモンドの採掘・売買のコントロールなどが行われ、それぞれの任務が大きな成果を上げ
たため、アフリカPKOにおけるグッド・プラクティスとしての国際社会からの高い称賛を得た。
しかし、内戦が終わってまだ数年、未だに汚職、高い失業率、絶対的貧困、不平等な資
源配分などの社会経済的な不安要素は解決されていないのが現状である。
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