夏季語学研修報告

     スタジオスクール(Studio School of English

W11 木下 玲亜

                                               
★期間 1999.07.311999.09.06 (計38日間)

★動機 夏季語学研修の研修地はほとんどがアメリカ。しかし、スタジオスクールはイギリスのケンブリッジにあるのです。つまり、イギリス英語が聞ける唯一の研修地だという事です。そして期間中はホームステイ。本当はその2つだけでも志望動機として充分だったのですが、その上研修旅行としてオランダ・イタリア・フランスの3カ国が付いていたのです!そこまで条件が揃っていたので迷わずイギリスを選びました。

選考 国際交流事務課にてTOEFLITPを受けました。真面目に受けたのですがあまりの難しさにかなりへこみました。面接時に特にイギリスは倍率が高いと聞いていたのでかなり不安でした。合格発表はかなりドキドキした覚えがあります。

★大学街・ケンブリッジ ケンブリッジには大小様々な沢山の大学があります。大きな学校には大きくてステンドグラスが美しいチャーチや花いっぱいの中庭があり、そのほとんどが一般公開されています。中は天井が高く涼しくて、巨大なパイプオルガンが置いてありました。私達は学校が終わって日が暮れるまでの長い時間(イギリスは日が暮れるのが遅く20:30くらいまで明るい)チャーチ巡りに費やしたりしていました。

★交通 自動車などは左側通行で交通ルールは分かりやすかったのですが、独特な交差点=ラウンドアバウトに苦労しました。慣れるまではタイミングがつかめず、まわりの車に迷惑をかけながら自転車通学していました。

★電車 ロンドンまでは電車で2時間くらいでした。しかし、駅ではない所で突然止まったり後退したり、以上に時間がかかった日もありました。社内放送らしきものはあったのですが、なまっている・早口・音が悪い・自分達のリスニングスキルに問題がある、などの原因から全然分かりませんでした。ロンドンでは地下鉄がとても便利でした。行き先なども分かり易かったためよく利用していました。

★キャンパス ケンブリッジの中心街、City Centerから徒歩10分位の所にRidley Hallという、レンガづくりで芝の美しい中庭がある古いけど素敵な建物でした(スタジオスクールの本校とは別)。家からは自転車(研修中の移動はほとんど自転車でした。もちろんレンタル。)で20分くらい。教室・食堂・チャーチ・寮・ホールもついていました。天気のいい日は皆で中庭の芝に座ってランチをとりました。

★授業 授業は初日にクラス分けテストがあり、1クラス10人前後で行なわれました。週によって入れ替わるが、最初の週は午前にリーダー・英作文・発音・リスニングなどのクラスを、午後に英会話のクラスを受けました。午前のクラスは教室の中で椅子を円形において談笑しながらという感じでした。英会話のクラスは街を歩いたり、アイスクリームを食べに行ったり、アフタヌーンティをしたり、Granchesterという牛が沢山いる草原(?)に行ったりと学校外に出る事も多かったです。

イベント 私達の通っていた学校には世界各国からの留学生が沢山いて、彼らと友達になる最高の機会が、毎日の様に行なわれているイベントでした。ホールでの映画鑑賞・パンティング(川下り)・イブニングサマーパーティ・クラブ・週末に行なわれるリトルトリップetc…。リトルトリップでは、日帰り〜23泊で湖水地方やバース・ストーンヘンジに行きました。

★皆既日食 私達が滞在中、皆既日食がありました。日本では見る事ができないので本当にラッキーだったなぁ、と今更ながら思います。ケンブリッジでは100%太陽が見えなくなる事はなかったのですが、それでもあたりはかなり暗くなり気温も6℃下がりました。直接太陽を見ても目を痛めないように専用サングラスを買っている人もいましたが、暗くなるにつれて雲も多くなってきたのでちょっと無理をすれば裸眼でも欠けていくのが確認できました。

★ホームステイ ホームステイ先は出発の直前まで決まらず少しはらはらしました。ホストマザーは南アフリカ出身の人で、ホストファザーはイギリス人でした。彼らには2歳の息子がいて、この子はかなり可愛かったです。パパの職業は大学の先生で、ママは準看護婦さんの様でした。夜勤が多いらしく、夜はたいていパパとロイド(息子)と3人でテレビを見たりしていました。日曜にはパパが家事や庭いじりをしていてママはテレビを見ているというちょっと不思議な家庭でした。庭は青々とした芝生と色とりどりの花達がいっぱいで、とても優雅な感じがしました。日中はテレビがつきっぱなしで、MTVが大音量で流れている事もしばしばありました。私のほかにもう一人留学生がいました。彼はコロンビア出身で、私に少しスペイン語を教えてくれました。

★食事 一般的に、イギリスは食べ物がまずいと言われているが、私もお世辞にも美味しいとは言えないと思いました。とくにロンドンでは美味しいと感じたものはクロワッサンとオレンジジュースと紅茶ぐらいだった気がします。フィッシュ&チップスが有名ですがどっちも油くさい事が多かったです。朝食はシリアルとパンとオレンジジュース。さすがに2週間で飽きたため、自分でマーケットに行って好きなものを買ってきて冷蔵庫に入れておいたりしていました。昼ははじめ学食で食べていました。しかし高い事に気が付き、途中から街で買って中庭で食べる事にしました。夕食は大体家でとる様にしていましたが、たまに外食もしました。家の食事はゆでた米(タイ米)とチキンを煮たものが多かったです。ビジュアル的にはインドカレーを想像していただければ近いと思います。カレーのルーのところがチキン料理で毎日変わっていました。最初は抵抗があったタイ米にも2週間くらいで慣れました。

マーケット イギリスのマーケットは巨大です。土日には次の1週間分の買出しをする人でいっぱいになっている様でした。しかし、それ以外の日はそんなに混んでいなくて、棚と棚の間が無駄に広く感じられました。初めてマーケットに行った時は、その広さと商品の数にビックリしました。惣菜コーナーだけでも、日本のコンビニより広いんじゃないかと思うほどなのです。そして当然の様にベーカリーがあって、運が良ければ焼き立てのパンも買うことができます。肉のコーナーに行けば鶏肉が丸々1羽分置いてあり、お菓子コーナーに行けば、巨大なドッグフードの袋かと思うようなクリスプス(ポテトチップス)が陳列されていました。野菜類も豊富で、日本では限られたスーパーマーケットにしか置いていないような珍しい野菜が山積みになっていました。レシピがタダで置いてあったり、他にも絵本や化粧品・ペット用品・カー用品・文房具・台所用品など、およそ生活に必要なものはなんでも揃っている様でした。ただ見ているだけでも面白いので、滞在中はなにかとよく遊びに行きました。

★市場 ケンブリッジの市庁舎の前にあるLion Yardには沢山の露店があって、様々な物が売られていました。フルーツ・生魚(臭かった)・派手な色のお菓子・洋服・アクセサリー・ポストカード・アンティークなど。学校が終わったあと56人で市場に行きフルーツを数種類買って皆で味比べをしたりしました。特にベリー系が豊富でしたが、味はマスカットの方が美味しかったです。しかし、どれもとてつもなく安く甘くて美味しかったです。

★研修旅行 オランダはイメージ通りの国でした。木靴工房や風車、アンネ・フランクの隠れ家を見に行ったり、道でよく分からない薬をもらったり(オランダはドラッグの規制が緩いらしい。もちろん後で捨てました)。街並みも、ホテルもさっぱりとしていてきれいでした。何よりも食事が美味しかった!というか、美味しいかどうかよりもイギリス食から解放された事が嬉しかったです。次のイタリアは今回行った4カ国の中では一番怖かったです。英語は通じないし、日本人に対する目つきが鋭かったような気がしました。そんな中でも、友達と3人でカプリ島“青の洞窟“まで行き、海にも入りました。フランスでも観光名所は大体訪れました。エッフェル塔や凱旋門からの夜景は最高です。今回もまた運良く、ホテルの窓から花火が見えました。

★費用 55万円+小遣い

★感想 研修に行って得た物の中で一番良かったと思うのは、やはり友達です。一緒に行った専修大学のメンバー24人ももちろんだが、イギリスでできた世界各国の友達。今でも、地元から旅行先から絵葉書を送ったりしています。向こうからも、私が訪れたことのない土地の美しい風景の絵葉書を送ってくれる。友達がいれば、何とかして彼らと話がしたいと思うようになる。何とかして、自分が見た風景や感じた事を伝えたいと思うようになる。そういう些細だけど大事な事が、勉強の原動力になることを今回の研修で学びました。買い物一つでも楽しくて、街を歩いているだけでも新鮮で…ケンブリッジにはそういった感覚、毎日を楽しくするヒントみたいなものでいっぱいでした。本当に行って良かった、研修プログラムにはもうないけど、また必ず訪れたいと思っています。