カンボジアの孤児院から3人の若者を招き、
 講演会とアプサラダンス上演会

里吉謙一さんら4年次生有志8人

 「カンボジアで奮闘するする若者たちの話を聞き、国際協力に関心を持って」――。4年次生有志8人がアルバイトなどで費用を積み立てて、
カンボジアの若者3人を日本に招き、10月10日、生田キャンパスで特別講演会と伝統舞踊「アプサラダンス」の上演会を開催した。

 来日したのは、日本のNGO「国際人権ネットワーク」(緒方由美子代表)が支援するモンドルバイ村の孤児院「友情の家」に住む代表の
ヨーク・ビスナーさん(28)、ヤン・シンリーさん(22)、セン・ソン・ソバナラーさん(17)の男女3人。

 学生有志たちは2006年春、スタディーツアーでカンボジアのアンコールワット遺跡群にあるモンドルバイ村を訪ねて以来、訪問を繰り返し、
「日本の縁日」を現地で催すなどさまざまな交流活動を行ってきた。ビスナーさんや緒方さんと知り合い、貧しいながらも伝統舞踊の継承に励み、
自立を目指す「友情の家」メンバーの活動ぶりを日本の若者たちに紹介しようと企画を進めた。渡航・滞在など招へいにかかわる費用130万円は、
その大部分を8人の学生有志たちが毎月5000円ずつ積み立てたほか、育友会奨励賞、学生部の国際交流奨励金など学内の奨学金制度を
最大限に活用してねん出した。

 学生や市民など300人が詰め掛けた講演会は、狐崎知己経済学部教授の司会で進められ、長い内戦によって苦しめられたカンボジアの
現代史を飯沼健子経済学部准教授が解説。学生有志代表の里吉謙一さん、ビスナーさん、国際人権ネットワーク代表の緒方さんが講演。
里吉さんは「この企画を計画した時、なにがなんでも実現させようと仲間たちと決意した」と打ち明けた。ビスナーさんは「『友情の家』を発展させ、
明るい未来を切り開きたい」と力強く語った。

 ビスナーさんら3人は「天女の舞」などアプサラダンスを4曲披露。優雅でしなやかな舞いに盛んな拍手が寄せられた。引き続き開かれた
交流会では、3人を学生たちが囲んで質問するなど、和やかな光景が見られた。シンリーさんは「ダンスではとても緊張したが今日、
いただいたたくさんの拍手はうれしかった」。ソバナラーさんは「専大生は親切で明るい」とほほえんだ。8人のメンバーたちを指導してきた
狐崎教授は「NGOなどの国際協力活動には、賛同する仲間を作ることと実現に向けての日常の積み重ねが大切。この場限りに終わらせないで
後輩に受け継ぐなど、今後の取り組みも考えてほしい」と話す。

 4年次生有志8人は次の通り。里吉謙一さん、斎藤哲平さん(以上経済学部経済学科)、波田野真衣さん、星野智也さん、大畑旭世さん、
古農幸江さん、八木祐樹さん(以上同学部国際経済学科)、滝佳之さん(ネットワーク情報学部)

学生メンバーとビスナーさんら 講演会で左から狐崎教授、里吉さん、ビスナーさん、通訳のペク・キムホーチさん
▲学生メンバーとビスナーさんら
▲講演会で左から狐崎教授、里吉さん、
ビスナーさん、通訳のペク・キムホーチさん
アプサラダンスを踊るビスナーさん(左)とシンリーさん ソバナラーさん
▲アプサラダンスを踊るビスナーさん
(左)とシンリーさん
▲ソバナラーさん