第1章 もう一度考え直そう、もう一度
座長:山口枝梨花・岡田春香(4年生)
報告者:仙波祐一・高野健斗(3年生)
コメンテーター:野田俊貴・許智暎(2年生)
<報告者レジュメ:仙波祐一>
●概要
援助が有効であるか否かは大規模な推測でしか言えず、まともな証拠がない。しかし、
答えは白黒の二者択一ではない。「大問題」ではなく手の届く解決策を論じる。 |
●ペンシルバニア大学の実験
実験1) 1枚目のチラシ → 学生平均 1,16ドル
2枚目のチラシ → 学生平均 2,83ドル
⇒ 世界的な問題に直面したら尻込みしてしまう
実験2)*学生を無作為に選び、警告した場合
1枚目のチラシ → 学生平均 1,26ドル
2枚目のチラシ → 学生平均 1,36ドル
*実験1)の半分以下
⇒ 大きな問題に直面した時、多くの人が感じている典型的な気持ちを表している。
・この大きな問題を巨大すぎる問題と考えず、貧困対策という問題を束にして理解
すれば一つずつ解決できる
●対立する経済学者
・ジェフリー・サックス(貧困の終焉、地球全体を幸福にする経済学)
主張:極度の貧困に陥った多くは貧困の罠に囚われ、そこから脱出できない。
したがって、大量の援助が必要だ。
・ウィリアム・イースタリー(エコノミスト南の貧困と闘う、放漫な援助)
主張:援助はよい影響より悪い影響のほうが大きい。貧困の罠なんてものは存在
しない。(ダンビサ・モヨもこれに同調)
⇒援助の是非論争のおかげで、本当に重要な話が大雑把になっている。外国援助全般
について考えるよりも、具体的な問題と個別の答えを考える方が役に立つ
●貧困に囚われる?
<ミレニアム村落プロジェクト>
・サウリ村落の農夫ケネディの例:
50万ドル サウリ村落
援助
・農夫ケネディはたくさんの肥料をもらい、畑の収穫は昨年の20倍となり、
その収穫からの貯蓄を使い、永遠に食いはぐれないようになった。
⇒貧困の罠に囚われていた (P.29 図1)
・しかし、肥料をちょっとだけ買い、畑の一番適切なところに使えばよかったの
では?(肥料を小分けで買えた場合)
⇒貧困の罠はなかった (P.31 図2)
・理論だけでは不十分であり、現実の世界をよりよく反映しなければならない。
・辛抱強い一歩ずつのアプローチこそが貧困と闘う方法として効果的なだけでなく、
世界をずっとおもしろい場所にする方法である。
・そこで、最近経済学者たちに注目されているのが、ランダム化対照試行であ
<座長資料:山口枝梨花・岡田春香>
セーブ・ザ・チルドレン@
マラウィでの食糧難で、300万人の子どもに影響が出ています。
ザンビアでは、極度の干ばつでトウモロコシの生産は2000年に比べて42%下がりました。
結果としてザンビア人の推定300万人が飢餓に瀕しています。
アンゴラ人400万人―全人口の1/3―は自分の家を追われました。
エチオピアでは1100万人以上が、いますぐ食糧援助を必要としています。
寄付をする場合は寄付額を記入し、線上で切り取ってください。
円 @
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セーブ・ザ・チルドレンA
ロキアはアフリカのマリにいる7歳の少女で、とても貧しく、極度の飢餓に直面し、ヘタをすると餓死しかねません。あなたがお金をあげれば、彼女の人生はよい方向に変わります。あなたや、他の親切なスポンサーの支援により、セーブザ・ザ・チルドレンはロキアの家族や他のコミュニティの人々と力をあわせて彼女に食事をさせ、教育を与え、基本医療と衛生教育を行います。
寄付をする場合は寄付額を記入し、線上で切り取ってください。
円
A
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<室井ゼミ生:実験結果>
セーブ・ザ・チルドレン@ |
セーブ・ザ・チルドレンA |
金額(円) |
人数 |
金額(円) |
人数 |
10,000 |
1 |
20,000 |
1 |
2,000 |
1 |
10,000 |
1 |
1,000 |
4 |
5,000 |
3 |
5,00 |
1 |
1,000 |
1 |
3,00 |
2 |
700 |
1 |
寄付しない |
4 |
500 |
2 |
- |
- |
400 |
1 |
- |
- |
100 |
1 |
- |
- |
寄付しない |
2 |
合計 17,100 |
13 |
合計 48,200 |
13 |
平均 1,315
(16.6ドル) |
- |
平均 3,708
(46.9ドル) |
- |
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