2004年度夏合宿:グループ討論 SAP賛成派レジュメ

  〜SAP(構造調整計画):賛成派〜


●メンバー
  4年:市澤麻由子・原田夏子 
  3年:田辺美佳久保陽栗原瞳 
  2年:灰塚祐輔小野舞子・近藤理恵



SAPとは・・・対外責務返済の困難に陥った途上国に対して、世界銀行がマクロ経済に
          よって返済を成し遂げることを目的としたプログラムである。

SAPの目的

・ 返済計画がマクロ経済を利用することにより、とても正確である
・ 普通は30〜40年以上かけて、マクロ経済を利用して返済していくプログラム
・ そう簡単には10年ぐらいで目に見える効果はあまり見られるものではない
・ 決して援助というものではない(慈善事業ではない)
・ 貧困を救うものではない
・ 支援をすることにより、国全体、民間全体がマクロ経済的に経済発展することを目的と
  している

・ 経常赤字と財政赤字(双子の赤字)の削減
・ 政府公共部門による経済介入を排除して民間部門の自由競争促進
・ SAPの一番の目的は、GDPなどのマクロ経済指標の改善(決してミクロ経済指標の改
  善ではない)


SAPの良い点

・ 貿易の自由化・・・・商品が安価で出回る(関税の引き下げ)
・ 為替の自由化・・・・インフレ抑制
・ 公共部門の縮小と経営の効率化・・・・民間企業の競争力アップ
・ 金融改革・・・・デフレ抑制??
・ 多国籍企業の参入・・・・失業者が減少、高度技術の獲得、水道などの国民たちが使う
  公共部門への援助の増加、援助による学校の増加


SAPというものはマクロ経済的により、国を発展(返済を助ける)させていくことを目的
  としているため、ミクロ経済的な批判をされても、それは世界銀行やIMF自体を批判す
  べきことであり、SAP自体を批判すべきものではない。SAP自体は、すばらしく計画
  されたプログラムである(文責:久保陽)



 参考表:1980年−84年に実施した16カ国におけるマクロ経済指標
- 年平均成長率(%) 国際収支(100万米ドル) GDP比(%)
国内総生産(GDP) 輸出 輸入 経常収支 財政赤字/黒字
1980―90年 1990―97年 1980年 1996年 1980年 1996年 1980年 1996年 1980年 1996年
コスタリカ 3.0 3.7 1,195 3,790 1,661 3,901 -664 -143 -7.4 -3.9
コートジボアール 0.9 3.0 3,577 5,110 4,145 4,017 -1,826 -203 -10.8 ..
ガーナ 3.0 4.3 1,210 1,728 1,178 2,393 30 -324 -4.2 ..
ジャマイカ 2.0 0.8 1,363 3,180 1,408 3,640 -136 -245 -15.5 ..
ケニア 4.2 2.0 2,007 3,027 2,846 3,441 -876 -74 -4.5 -3.3
大韓民国 9.5 7.2 21,924 155,109 25,687 175,763 -5,273 -23,061 -2.2 0.1
マラウイ 2.3 3.6 313 385 487 873 -260 -450 -15.9 ..
モーリシャス 6.2 5.1 574 2,701 690 2,767 -117 17 -10.3 -4.0
モロッコ 4.2 2.0 3,233 9,246 5,207 10,980 -1,407 -627 -9.7 -4.4
パキスタン 6.3 4.4 2,958 10,317 5,709 15,174 -869 -4,208 -5.7 -4.8
パナマ 0.5 4.8 3,422 7,426 3,394 7,530 -329 -60 -5.2 2.9
フィリピン 1.0 3.3 7,235 26,795 9,166 33,317 -1,904 -1,980 -1.4 0.3
タイ 7.6 7.5 7,939 71,416 9,996 83,482 -2,076 -14,692 -4.9 2.3
トーゴ 1.6 2.2 550 402 691 444 -95 -57 -2.0 ..
トルコ 5.3 3.6 3,621 45,354 8,082 48,331 -3,408 -1,450 .. ..
ユーゴスラビア .. .. .. .. .. .. .. .. .. ..
 出典:世界銀行『世界開発報告』1996年

・1988年『世界開発報告』71項より

世銀の支援する調整プログラムを1980年―84年度に実施した16カ国について、主要なマク
ロ経済指標の検討がなされた。
構造調整プログラムと因果関係を明らかにすることはできな
いが約3分の2の諸国においては、調整プログラムの導入後に国内総生産(GDP)と輸出の
両指標が比較的高い伸びを示している。調整機関中に16カ国のうち12カ国では経常収支
赤字が減少し、9カ国では財政赤字が減少している(文責:原田夏子)。