「メディア規制3法案」肯定派
4年:脇田由美子・奥村嘉人
3年:山口学・五十嵐亜理紗・神作美代子
2年:石田洋子・加藤洋樹
● 個人情報保護法案
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 基本原則(第三条―第八条)
第三章 国及び地方公共団体の責務等(第九条―第十一条)
第四章 個人情報の保護に関する施策等
第一節 個人情報の保護に関する基本方針(第十二条)
第二節 国の施策(第十三条―第十五条)
第三節 地方公共団体の施策(第十六条―第十八条)
第四節 国及び地方公共団体の協力(第十九条)
第五章 個人情報取扱事業者の義務等
第一節 個人情報取扱事業者の義務(第二十条―第四十一条)
第二節 民間団体による個人情報の保護の推進(第四十二条―第五十四条)
第六章 雑則(第五十五条―第六十条)
第七章 罰則(第六十一条―第六十四条)附則
目的
IT・情報革命に対応する為、個人情報の保護・管理体制を法的に整備することを本来のねらいとし、全ての個人情報の扱いに適用される5つの「基本原則」(1.利用目的による制限2.適正な方法による取得3.内容の正確性の確保4.安全保護措置の実施5.透明性の確保)と「ITによる個人情報取り扱い事業者」に適用される「義務規定」(基本原則に沿った具体的な遵守事項)によって個人情報の保護・管理を行う事などを骨子としている。
●報道によるプライバシーの侵害
1985年8月、岐阜県内のある男性が、親しい版画家の病死を「変死」と疑った警察から事件聴取を受け、翌日の新聞に「侵害致死の疑いで調べている」と実名報道されて、報道への講義の遺書を残し、自殺した。
これは、誤報により被害者が自殺したケースである。いったんメディアに報道されると、それがいかに誤った情報でも、読者・視聴者には「事実」と受け止められる。大きな事件では、逮捕の際、名前、写真、職業から、生い立ち、学歴、家族構成、性格、暮らしぶりまで、「犯人像」として事件と結び付けられる形で、プライバシーが根こそぎ暴かれる。
容疑が事実でも、報道で描かれた「犯人イメージ」は、証人や裁判官、弁護士にまで「犯人」の予断を与えてしまう。また「有実」の場合でも、被告に不利な心証が裁判官に形成されることがある。報道内容が細部では事実に反したり、証拠として提出されなかったりもしても「犯人の印象」として残り、情状判断・量刑に影響を与えるからだ。
無実・有実にかかわらず、「犯人」として名前を報道されると、本人だけでなく、家族までも大きな被害を受ける。「世間の目」にいたたまれなくなって、職を失ったり、転居・転校を余儀なくされたり、いじめにあったり、中には上記のように本人、親が自殺に追い込まれるケースもある。長い裁判の果てにに無実が確定しても、なお周囲から疑惑の目で見られたり、刑期を終えて社会復帰しようとしても職を得られず、冷たい視線にさらされたりする。
●原因
1. 犯罪報道のほとんどが警察・検察の捜査情報に依存して行われ、「逮捕=犯人」を確定的事実のように伝え
ていること。
2. 犯罪報道を「5、 読者・視聴者の関心に応えるため」6、
として大々的に扱う日本のメディアの伝統的体質、激し
い特ダネ競争にあること。
3. 何か特異な事件が起きると、まるで集中豪雨のように大量の記事で紙面を埋め、ニュース番組もその事件一色
になってしまうセンセーショナリズム。
4. 記者たちの人権意識の低さ、法知識の貧しさ。
★報道で奪われた名誉を回復するのに最も有効なのは、誤った報道をしたメディア自身に報道内容を紙面や番組で訂正、謝罪させることだ。それでも失われた名誉は完全に回復されないが、誤報を当のメディアが認めることは、報道被害の救済の最低条件になる。ところが、メディアは、よほどのことがない限り、自主的に誤った報道を訂正したり、まして謝罪したりしない。
松本サリン事件報道の場合、「毒ガス」がサリンとわかり、河野さんには製造不可能なことがはっきりした段階でも、メディアは誤報を訂正しようとはしなかった。各社が訂正したのは、河野さんがメディア訴訟の意思を示したこと、「別の犯人」の報道で、つじつまが合わなくなったためだった。
こうした特殊な事情がない限り、報道被害者は何年もの間、報道されっ放しにされる。逮捕段階から無実を訴え、一審、二審で無罪判決が出て、事件当時の報道の誤りが明らかになっても、検察が上告すれば最高裁で確定するまで、メディア側は「裁判中だから」と訂正要求に応じない。冤罪事件では裁判に10年も20年もかかり、その間、報道被害は救済されない。
★言論・報道への権力介入を許すことがいかに危険か。私たちは、メディアが「報道の自由」を失い、国民を侵略戦争に煽り立てた歴史を持っている。権力は常に報道を規制しようとスキをうかがっている。メディアが人権侵害を繰り返し、市民の加害者になる状況は、権力介入の大きなチャンスだ。市民が「報道規制もやむを得ないか」と受け入れてしまいかねないからだ。
★「読者が求めているから」と繰り返される興味本位な犯罪報道に、受け手の市民が厳しい批判の目を向けていくことは、報道改革の大きな力になる。 報道の人権侵害をなくすこと、報道の自由を守ること**それは、表裏一体の課題だ。報道の送り手であるジャーナリストと受け手である市民が手を携え、「市民に信頼される市民のための報道」を確立していきたい。
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「メディア規制3法案」否定派
4年:後藤あすか・渡辺亜由美
3年:若山透・和田充・舘石優
2年:小西美穂・澤井祐太
●個人情報保護法が国会に提出されるまでの大きな流れ
1998.7.12 自民党が参院選で大敗
1999.4.11 東京都知事選で自民党候補敗れる
.7.14 政府が個人情報保護検討部会を設置
.8.11 自民党の「報道と人権などのあり方に関する検討会」が、
メディア規制規制を求める「報告書」
↓
内容:「臓器移植報道」や「所沢ダイオキシン報道」をプライバシー侵害や過剰な取材として例示し、
個人情報の保護や人権の救済などを名目に、「法的措置の検討」に言及。『プライバシー保護法』
あるいは『人権保護法』的な法的整備を推進する必要があると明記した。また、名誉棄損訴訟での
賠償金の高額化にも触れている。
2000.1.27 政府が新たに個人情報保護法制化専門委員会を設置
.11.28 法務省の人権擁護推進委員会が、「報道被害」など、メディアも対象
に含めた新たな救済機関の設置を柱とした「中間とりまとめ」
2001.3.27 政府が個人情報保護法案を国会に提出
●個人情報保護法案
目的:高度情報通信社会の進展に伴い、個人情報の利用が著しく拡大
個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護
内容:「基本原則」(責務規定)と、「義務規定」(罰則規定)に分かれている。
「基本原則」1.利用目的の明確化
2.適正な方法での取得
3.利用目的の達成に必要な範囲内で、正確で最新の内容の確保
4.安全管理のための措置に配慮
5.本人の求めに応じて情報を見せる
「義務規定」雑則:報道目的・学術・宗教活動・政治活動の4分野は適用除外
問題点:報道に基本原則の網がかぶせられたこと。基本原則は責務規定ではありますが、これによって、
取材する側とされる側双方に萎縮が生まれ、長期に渡る取材や、調査報道、国民の権利に応えるた
めの取材活動、報道活動が大きく制約されてしまうのではないだろうか。
●人権擁護法案
法案の背景:国連の規約人権委員会が、1998年11月に日本政府に対する最終見解の中で、日本の人権
擁護体制の整備を促し、独立した人権救済制度の設置や、警察・入管・刑務所等における処遇の改善
を求めたこと。
目的:人権救済(一般的な人権侵害行為の救済とは別に、特に救済が必要な人権侵害を「特別人権侵害」
((差別・虐待などとともに、報道による人権侵害を含む))とおく。)の申し出を受け入れる人権委員会の
設置により、調査、適当な措置を講じる。
・ 救済対象者
犯罪被害者・犯罪行為をした少年・犯罪被害者と犯罪行為を行った者の配偶者、直系もしくは同居の親族
または兄弟姉妹
問題点:1.待ち伏せ、見張り、つきまとい、電話・ファックスを継続・反復して行い、生活の平穏を著しく害する
ことを「過剰取材」として、特別人権侵害と位置付けている点。
2.人権委員会が法務省の外局に置かれている点。
<メディア規正3法案反対意見>
個人情報保護法案
・「報道」の規定の不明確
義務規定の適用除外となる「報道」であるか否かはどう判断するか。
・・・「報道」とは「不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせることまたは、客観的事実
を知らせるとともに、これに基づいて意見もしくは見解を述べること」をいう(首相官邸ホームページより)と
記述されています。
しかし、主務大臣の裁量に任せてはいけない。第40条の表現の自由に対する配慮で十分とは言えない。
・ 規制するということは逆に、知る権利を侵害することになる。
人権擁護法案
・ 過剰な情報収集も事件解決の重要な役割を果たしている。(事例1〜5)
・ 人権委員会が法務省の外局に置かれていること
国連は元々政府に独立した人権救済制度を求めている。しかし、人権擁護法案に規定されようとしている委員会は完全に独立した機関とは言えない。本来の意図、国連の意図に反しているといえる。
法律に代わる対策
報道機関の人権侵害「自己チェック」=「第三者機関」の設置(事例6,7)
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