室井ゼミナール論文集:第15号


  はしがき

 本論文集は、1998年度室井ゼミナール4年次生の卒業論文集である。1985年3月に第1期生4名を社会に送り出して以来、我がゼミを巣立っていった学生は、本年度の第12期生11名を含めて、合計104名になる。この100名という数字に、私自身、あらためて驚いている。
 なかなか表現しにくいが、本当に色々なゼミ生がいた。ゼミによっては、似た者どうしが集まり、特定の「カラー」を持つ場合も少なくないと思う。しかし、我がゼミの場合には、各人が単色に染まることなく、それぞれの色彩を放っているように思う。ただ、私は極彩色が好きなのではない。カラフルでありながら、<白黒写真>のような雰囲気をもっているという、この微妙な感覚が気に入っているのである。
 第12期生にも、そうした雰囲気があった。卒論のテーマも、「豊かに『老いる』ために」「JAZZ」「ハードボイルドへの憧れ」「家族は幸せを生む集団か」「21世紀の流通業」「リサイクルちょっとしたレトロのススメ」「心に効く広告」「学校」「きりしたん考」「玄人」「BRAZILブラジルは何とかなる国さ」と多様である。
 そして各人が、それぞれの感性でそれぞれの<原風景>を追い求めているように思う。社会に出てからも、その姿勢を失わずにいて欲しい。ゼミ長の後藤津奈夫君、ご苦労様。4人娘と皆も、元気で過ごすように。
                                  
             1998年12月16日  室井 義雄



                1995年度春合宿:田牛にて

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