室井ゼミナール論文集:第14号


  はしがき

 本論文集は、1997年度室井ゼミナール第12期生の3年次進級論文集である。諸般の事情から、刊行が大幅に遅れてしまった。3月中旬から4月上旬にかけて、外務省海外公報課の依頼により"Japan-Nigeria Economic Relation" というテーマでナイジェリアのラゴス、ジョス両市で講演を行ない、その準備に忙しかったことと、3年次生の就職活動が終ってから編集作業に取りかかろうと考えたからである。責任の大半は私にあるが、半年も前に原稿を出した諸君には申し訳ないと思っている。
 毎回、ゼミ生の書いた原稿には全部目を通し、主語・述語関係や句読点に至るまで訂正し、多くの場合には真っ赤にして返却している。40人近くのゼミ生を抱えていると、この作業が結構大変なのである。だが、入ゼミ以来の度重なる日本語チェックが功を奏してか、多くの3年次生は訂正をほとんど必要としないまでに文章力をつけている。
 論文の内容も、みな、なかなか面白い。「老いるということ」「子供の人権現代学校教育の諸問題」「インターネットの現在と未来」「<近ごろの大学生>論」「災害と都市計画」「ヴェトナム」「ヒロシマ運命の日」「酒とは何か」「黒死病」「<競う>ことの意味」「ユーゴスラビア」「えん罪と人権」<世界>と<日本>、そして最終的には<自己>について、各自が多様な切り口から考察している。各自、他のゼミ生の論文も読んで、自分の問題関心と比べてみるとよいと思う。
 なお、神村要君は1998年4月から1年間の予定でニュージーランドに留学中であるが、来春のゼミ復帰を楽しみにして、本論文集に彼の進級論文を載せることにした。

               1998年10月3日  室井 義雄


           Cowrie Shell Money, Nigeria


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