―ケニア Study TourUAE旅行記―

W13 久保田 紋子
W13 原田 夏子


★期間2003年8月22日〜8月30日
★滞在地ケニア・アラブ首長国連邦
★費用約30万円・・・
★目的サファリとNGO研究    
★訪問NGOFoster Plan

利用旅行会社道祖神


Many Drawings from Kenyan Pupils to Ms.Ayako & Ms.Natsuko

2004年度懸賞論文コンクール 優秀賞受賞


○スケジュール○

22日  キャセイ航空・ケニア航空にて香港、ドバイを経由しナイロビへ。

・23日  ケニヤナイロビ到着。旅行会社のスタッフ、アーサーがお出迎え。ンゴングへ。
       ンゴング:アポロさんの家でホームステイ。
       アポロさんの子ども達とアフリカ料理を作り昼食を取った後、マサイ族の家
       を訪ねる。ヤギのミルクで
作ったチャイをご馳走になる。夜は子ども達と「だるま
       さんが転んだ」をして遊ぶ。


・24日  ンゴング:アポロさん一家との別れ。
        ナクル :ロッジで昼食を取ってからナクル湖国立公園サファリ
        
      ☆出会った動物
       クロサイ、アミメキリン、水牛、シマウマ、ウォーターバック、インパラ、ガゼル、
       イボイノシシ、ドグエラヒヒ、リス、ヒョウ、サーバツキャット、セグロジャッカル、
       フラミンゴ、カンムリヅル、アフリカトキコウ、マダラハゲワシ、クリハラテムリ
       ムクドリ、
ホロホロチョウ、、、etc・・
           
       ナクル湖は200万羽以上のフラミンゴの群れで有名。湖がピンク色に染まる
       ほどの多さに感動!!


・25日  ナクル :早朝サファリの後エンブへ。
        エンブ :エンブ着 プラン・ケニアエンブ事務局へ。ダニエル氏と合流。
           
      事務所内の見学
        コミュニティの代表者会議見学
        20人ほどの代表者が会議をしており、自己紹介と日本についての紹介をした。
        皆真剣なまなざしでこちらを見ていた。代表者の年齢層はほぼ年配の方が多く、
        中には女性もいた。

      農場訪問(二箇所の農場を訪問)
        water project見学。2000年に約3ヶ月を費やして建設された農業用灌漑設備
        を見学。



・26日  エンブ事務所集合。プラン・ケニアの組織構造についてダニエル氏から説明を
            受ける。
                  
      Kiritiriプログラム・ユニット(以下PU)事務所訪問
        エンブには5箇所のPUが存在する。私達はそのうち2箇所を訪問させていた
         だいた

        Gachoka/MasingaPU事務所訪問。ビアンカ氏と合流。
         BIMAS Tumainiグループによるミーティングを見学。

      ☆BIMASとは
        BIMASはマイクロクレジットのことである。1997年にプランと共に、第3パー
       ティとしての仕事に着手
された。主要な活動は小さな起業家達をビジネス拡
       大のため、金銭的に支援することである。農村
での商売は銀行では信用が
       得られないため資本を獲得できない。プランが低利子で貸付を行ってい
る。
       BIMASとプランとの協定は2000年に無効になり、それは現在では
       automous 金融機関となっ
ている。それは、Mbeere,Embu,Muranga,
       Meru South,Machako,Kitui,Kirinyaga地方で運営されてい
る。

      BIMASメンバーを訪問
        Kivaa/Kaewa、プラン・ケニアから職業訓練支援を受けた青年を訪問


・27日  KiritiriPU事務所に到着。
        「dairy goat プロジェクト」見学。

      ☆デイリー・ゴート・プロジェクト
        デイリー・ゴート・プロジェクトは2002年、1月に30のコミュニティのメンバーで始
       まった。彼らの主な
活動は収入増加のためにヤギを育てたりミルクの供給の改善、
       人口増加に連れて牧草が減少し始
めたときからの土の退化をコントロールしたり
       することだ。メンバー達はプランにヤギ達に支援してくれ
とアプローチし、2002年6
       月、30匹のヤギを支援され、現在彼らは56のメンバーになっている。彼ら
は貯蓄
       したり、家族達と一緒に動物の病気や緊急時のセキュリティ対応するためのプロ
       グラムを運
営している。

      Mavuria 「agri-business プロジェクト」見学
        CDP/Sasito planning process見学

・28日  エンブ :フォスタープラン・ケニア事務所スタッフとの別れ。
       ナイロビ:スーパーでショッピングした後「カーニバル」へ
       「カーニバル」では様々な動物の肉が食べられる。牛豚鶏はもちろん、シマウマ、
       シカ、ワニ、
ダチョウ、などを食べた。あまりおいしくない。サファリで見た動物を食
       べるのは複雑な気分である。

        動物の孤児院見学。ライオンやチーター、ハイエナを見る。
       夕方、ドバイへ。ケニアとの別れ。

・29日  アラブ首長国連邦ドバイ :夜中到着。ホテルへ

写真をクリック⇒拡大

・30日  ドバイ :ジュメイラビーチで海水浴。
        日中は暑すぎてあまり活動できない。昼食は市内のマクドナルドへ。
        夕方、砂漠を観光し、ゴールド・スークでウィンドウショッピング。
        成田  :夜到着。帰宅。

○感想

 初めてのアフリカ体験で、不安はあったけれども、アフリカの人たちは本当に親切で、「ポレ
ポレ」という言葉が似
合う国であると思った。今回の旅行のメインはフォスター・プランという
NGO団体のプロジェクト見学であった。様々
なプロジェクトを見学し、実際のNGOの活動を
見ることで、先進国の途上国に対する援助がいかなるものかが分か
った。サファリで様々な
動物も見ることができて、ケニアの大自然を感じられた気がする。また、ドバイでは中東産

国がいかに豊かな国であるということに驚いた。また、その暑さも・・・。ケニアで暮らすことは
できるだろうと感じ
たがアラブでは絶対に暮らすことはできないと心の底から感じた。            
************************************

   
   PLAN KENYA 活動報告
W13 原田 夏子
                                      
 先ず、この訪問が成功しNGO研究における様々な素材になったことと、人生での最も
大きな財産になること
ができたのは、一から訪問の手助けをしていただいた林絢子様を
はじめとする日本フォスター・プラン協会のス
タッフの方々とDaniel Runguma様を始めと
するPLAN・KENYAのスタッフの方々、支援者の皆様、訪問にいた
るまでにいろいろな
アドバイスを下さった狐崎教授と室井教授のおかげである。ここに記して感謝の意としたい。


 8月22日〜30日まで、NGO研究のためケニアに行ってきた。以前からゼミや大学での
様々な講義を通じて
アフリカの経済に関心を抱いていたため、今回のNGO研究ではア
フリカでのNGO活動を題材にしたいと思っ
ていたからである。ゼミを通じて知り合った
友人である久保田さんも私と同じ関心を持ち、二人でアフリカでのN
GO活動を研究する
ことになった。

 アフリカの経済、社会指標は下降の一途をたどっており、サハラ以南のアフリカ総人口
6億5900万人の40
%が1日1ドル以下で暮らす最貧困層である。私が訪問したケニア
は人間発展指数が世界で134位と低位国
に位置する。日本はこれに対し、世界9位で、
162カ国のうち上位10カ国内に位置する有数の先進国だ。「貧
困」という言葉には無縁
な国家である。(『国連開発計画人間開発報告書2002』による最新のデータより)

 そんな国で生まれ、何一つ不自由のない生活を送ってきた私にとって、一日1ドル以下
の生活なんて、考え
たこともなく、むしろ考えられない世界だ。現在大学の講義ではもっぱ
ら、「貧困」を背景とした途上国に焦点を
あてたものを受講しており、「貧困」に対する知識
ばかりが増え、実際にそれを解決するためにどうするべき
か、どうあるべきかなどは所詮、
実地経験をつんだ専門家や学識のある人間から得られる情報を受けいれるこ
としかでき
ないのである。どんなに本を読んで、たくさんの人から情報提供されても頭で感情的に
理解している
だけで、体感することができないのである。
 現在、世界は急速な勢いでグローバル化が進行しており、特に経済のグローバル化は
世界的規模で貧困
の格差を広げているという。『学び・未来・NGO』の著者、若井氏は、
この「グローバル化」の最大の問題は上
から、強者による「グローバル化」であり、この
恩恵は一部の富めるものにしかいきわたっておらず、大多数の
貧困層には届いていない
という。このような「グローバル化」の真っ只中で今、非政府組織(NGO)に問われて

いるのは上からの「グローバル化」に対する下からのすなわち民衆の側からの公正と
社会正義の「グローバル
化」をどのように私達自身のものとしてつかみ取っていくのか
というものだ。薄っぺらな知識で実地経験のない
私が今回NGOの活動に携わっていく
ためにこの問題を理解することさえ、難しいことである。しかし、今回の「P
LAN」という
NGO団体がどういった姿勢でこの問題に立ち向かっているのかということを得たいと
思った。今回
の訪問では彼らの活動からその問題理解に近づけた気がする。

 今年はSARSやイラク戦争の影響のせいか、アフリカ諸国でのスタディー・ツアーや
ワークキャンプを募集し
ていたNGO団体はほとんどなく、あったとしても旅行会社主催
のスタディー・ツアーなどで、自分にとって若井
氏が問いかける問題を理解することが
できないのではないかと思った。途方にくれた私達が出会ったNGOとは
「日本フォス
ター・プラン協会」という団体である。その団体のスタッフの方が講義に来ていただいた
際に、支援
者の現地訪問が可能であるということを知り、私達は直接現地訪問の許可
をいただくことができた。「日本フォ
スター・プラン協会」は日本で最も大きなNGO団体で
あり、(日本フォスター・プラン協会の説明は後に述べる
が)イギリスに本部を持つ国際的
なNGOであるので私達が理解すべき問題を理解することができるであろうと
思った。

 国際援助団体フォスター・プランについて
 およそ70年以上も昔から活動を開始した歴史深く、大規模なフォスター・プランの活動
について説明しよう。
フォスター・プランは国際本部をイギリスに置き、援助プロジェクトを
実施する活動国45カ国と、支援者を募る
援助国15カ国の各事務所がそれぞれの役割
を担い、効率的な支援活動に取り組んでいる。民間からの資金
集めとして、フォスター・
ペアレント(援助側)、フォスター・チャイルド(受け手)で手紙などを通じて活動地域の

子どもと交流しながら援助活動をしている。
 
◎フォスター・プランの目標(VISION)
 彼らの理想は、人々の権利と尊厳が守られる社会において、すべての子ども達が能力
を発揮できるような世
界を実現することである。
◎フォスター・プランの使命(MISSION
 ★子ども達、その家族、そして住んでいる町や村の人々が人間としての基本的な生活
   条件を備え、社会活動に参加し、自立が達成できるよう支援する。
 ★世界中の異なる文化を持つ人々との相互理解を深め、協力的な関係を作り上げる。
 ★世界の子ども達の権利と利益の確立を図る。
              
 目標と使命を達成するために・・・

◎すべての活動を貫く7つの指針
 @子どもに焦点をあてた活動により子どもの権利の保護と生活の質の向上を目指す
  こと。子ども自身が参加
し、大人もそれを理解すること。(子どもに焦点)
 A現地住民はもちろん、組織としてのフォスター・プラン、ペアレント皆が「学ぶ」こと。
  (学ぶ)

 B各プロジェクトを統合的に進めることによってより大きな効果を生むようにすること。
  (総合的なプロジェクト)

 C子どもの成長に大きな影響を与える女性の役割を認識し、社会的性差による機会
  の不平等を取り除くよう
に努力すること。(女性の役割)
 D生活の場である環境をよく理解し持続して資源を使えるようにすること。(環境)
 E住民が自らプロジェクトを選択、実施、管理することで、プロジェクトからもたらさ
  れる「変化」を持続可能な
ものにすること。(エンパワーメント)
 F地元のNGOや政府などと互いに協力、提供し権利と義務を認め合い、プロジェクト
  のインパクトにおける最
大限の相乗効果を目指すこと(協力)

◎フォスター・プラン5つの活動分
 <保健医療と子どもの成長>
  子どもや家族の肉体的な健康を目指した保健衛生活動に加えて、子どもを虐待か
 ら保護すること、ハン
ディキャップのある人を地域全体で支援する体制を育むこと、
 また若者に親になることの意味を伝えることな
ど、精神的な支援も行う。
 <教育と学習>
  幼児期の経験は生涯にわたって影響をもたらすが正規の学校へ通うことだけが
 「教育」ではない。また学校教育さえ受ければ子ども達の生活が変わるものではな
 い。非公式の学校で学ぶこと、小さいときに年長
者から学ぶこと、子どもと同時に大
 人(特に女性)が学ぶこと、すべてを支援していく。

 <住まいと生活>
  生活環境は子どもの成長に大きく影響する。家屋と共に生活の場全体の改善を
 目指す。保健所や市場へ
の道路整備や、環境・資源の保護も含む。また改善に必
 要な費用と資材の調達手段や方法も指導する。

 <住民と生計>
  コミュニティ全体の貧困からの脱却を目指した活動とともに、一家族における母親
 の役割にも注目する。単
に家族の収入が増えても増加分が子どもに反映されること
 はまずない。子どものためには母親が収入源を
持ち、使途を決定する権限を持つこと
 が大切である。また子どもを過度な就労から守る意義を伝える。

 <相互理解と協力>
  ペアレントとチャイルドがお互いに「子どもに焦点を当てた活動」を理解することを
 目指す。手紙は子どもがプ
ロジェクトに参加する重要な方法の一つである。直接手紙
 を書くチャイルドやその家族ばかりではなくコミュニ

 ティ全体で通信の大切さを考え、支えていく基盤作りをしながら、通信と支援活動が
 より密接に結びつくには
どうしたら良いのかを考える。

PLAN・KENYA訪問

 今回実際にプロジェクトの見学をさせていただいた日数は実質3日間であり、短い期
間ではあったが厳選さ
れた質の高いプロジェクトを見学することができたと思う。
 今回訪問したアフリカ諸国はケニアである。ケニアは東アフリカに位置し、国土の3分
の2が乾燥地帯のため
人口も少ない国である。私が以前に訪れたインドやエジプトのよ
うに人口問題が深刻な国ではないため、ケニ
アの町並みを始めて見たときの、広大な
台地に動物と自然のあふれるのんびりとした風景が今でも目に焼き
ついている。訪問に
至るまでにケニア観光もしようと計画していたため、私達はナイロビから少し南のンゴング

という都市で、アポロさんの家にホームステイした。そこは電気もガスも通っていない地
域で、子ども達と一緒
に遊んだり、料理したりした。ここでケニアの人々の生活が少し垣
間見られた気がする。マサイ族の家にも訪
問できてすごく貴重な体験になった。そして
ナイロビから東に位置するナクル湖に向かい、ここでケニアの観光
の売りでもあるサファリ
を体験した。二百万匹ものフラミンゴの群れにとても感動した。そしていよいよ車でプラ

ン・ケニアの事務所があるエンブへと向かった。エンブまでの道のりは非常に遠く、いくつ
もの農村を通り抜
け、途中様々な動物を見かけたり、日本にはない農作物を栽培してい
る農場を見かけたりと退屈することはな
かった。ただ道路に穴が開いていたり街灯は一つ
も見かけなかった。それに工業を営む気配はまったく感じら
れずこの国の「遅れ」を感じた。
 実際に経済面は、コーヒー、茶、園芸作物などの農産物の生産を中心とする農業国で
ある。農業が労働人
口の60%以上、国内総生産(GDP)のやく25%を占めている。ま
た、野生動物や自然が豊富な国立公園が
あり、欧米を中心に多くの旅行者を集めてお
り、観光業もケニアの重要な産業の一つである。90年代旱魃に
よりGDP成長率は低い
水準にとどまっていたが2001年農業生産が回復し好転している。

 左はケニアの地図である。ケニアでのPLANの活動地域はコスタルプログラム、ニャン
ザウエスタン、エンブ、
メル、キアンブ、タイタ・タベタ、チョニである。私達が訪れたエンブ
はナイロビから真北に向かったところにあり
観光名所ではないが大きくも小さくもない都
市である。車で移動していると人々はものめずらしそうに私達を見
ていた。やはり観光地
ではないので外国人が来るのは珍しいことなのであろう。子ども達は皆、手を振って私

達を歓迎してくれた。インドやエジプトと違って、私達の見た限りではストリート・チルドレン
はさほど見かけな
かった。のんびりとした町並みで人々はのんびりと生活している印象を
受け、貧しい生活レベルではあるもの
の、どことなく皆、幸せそうに見えた。ドライバーに
携帯電話でスタッフのダニエル氏とコンタクトを取ってもらっ
て、やっとの思いで25日15
時、プラン・ケニアのエンブ事務所にたどり着いた。ここで初めてエンブ事務所で
代表して
私達とコンタクトを取り続けてくれていたDaniel Runguma氏と会った。エンブ事務所内を
案内していた
だき、スタッフの方達に私達を紹介していただいた。皆、信じられないくらい
に親切で今まで誰かにこんなにも
歓迎されたことがなかったので、すごく嬉しかった。し
かし、彼らと出会ったことで今思ってみても改めて後悔し
ていることは私達の英語能力の
乏しさである。特に彼らの話す英語は非常になまった感じがあり、日本で聞く
アメリカ人
やイギリス人の英語とは違うものであった。日本にいて英語を話すことはできないが聞き
取ることに
はほぼ自信があったので、なおさらコミュニケーション能力が低かったことに
がくぜんとした。せっかく私達のた
めに時間を割いて用意をしてきてくれたのに本当に申
し訳ないと思った。後のプランを以下で説明する。


・8/25(月) 

  15:00 エンブ着 プラン・ケニア、エンブ事務局へ
       ダニエル氏と合流。事務所内の見学
         ・データ入力部
         ・会計部(accounting)
         ・管理部
         ・photo copy
         ・購入部
         ・researching evolution
       キョンド氏の秘書室
         コミュニティの代表者会議見学
       20人ほどの代表者が会議をしており、自己紹介と日本につい
       ての紹介をした。皆真剣な
まなざしでこちらを見ていた。代表
       者の年齢層はほぼ年配の方が多く、中には女性もいた。

  16:00 農場訪問(二箇所の農場を訪問)
       water project見学。2000年に約3ヶ月を費やして建設された
       農業用灌漑設備を見学。

       建設費用は約1,000,000KS(日本円で\150万)。284人?の
       農夫とコントラクターを使用し
て建設。この灌漑設備ができる
       までには農業用水を雨だけに頼っていた。雨季のみ、農業

       可能であったが、これにより1年中農業が可能。二期作も可能
       となる。

   ◎始めに訪れた農場
       2acreといった土地の広さを持つ。農作業は機会を使わずに鍬
       のみで作業。父、母、に加え
8人の子ども達で農場を経営して
       いる。作っている作物は(日本で言う)サトイモ、バナナ、
       とう
もろこし、パッションフルーツ、豆、サトウキビ、
       パパイヤ、サツマイモ、マンゴー、マカダミアン
ナッツ、
       トマトツリー、ガッツ、ケルス等。他に家畜として牛、
       ヤギ、ニワトリを飼っている。牛は
ミルク用(これは1?
       あたり20Ks、30円)、ヤギは食用である。
何か困っ
       ていることはないかと尋ねると、害虫や資本がないこと
       に頭かを抱えているそうだ。

   ◎次に訪れた農場
      4人の子どもと土地を分配して農業を経営している。ここの農場
      でも灌漑設備からの恩恵を
受けていた。ここではトマト、とうもろ
      こし、バブス等を作っていた。ここでは小麦を実験的に初
の試み
      で作っていた。小麦の種子は1粒5Ks(7.5円)である
      という。


・8/26(火)

  9:00  エンブ事務所集合
       プラン・ケニアの組織構造についてダニエル氏から説明を受
       ける。

  9;00-10;00  Kiritiriプログラム・ユニット(以下PU)事務所訪問
        エンブには5箇所のPUが存在する。私達はそのうち2箇所
        を訪問させていただいた

        Gachoka/MasingaPU事務所訪問
        ビアンカ氏と合流
  10:00-12:00 BIMAS Tumainiグループによるミーティングを見学
        小学校の教室のような部屋に、議長を中心として村人が20
        名ほど会議に参加していた。
年齢層は10代くらいの者から
        お年寄りまでと様々である。彼らは商店の個人経営を営む家

        族を代表する者であり、毎週火曜日に実施されるという。サロ
        ン経営者や、雑貨屋経営者な
ど様々。会議の内容はビジネス
        における問題などを討論していた。

   ☆BIMASとは(訳)
      BIMASはマイクロクレジットのことであり、1997年にプラン
      と共に、第3パーティとしての仕事に着手
された。主要な活
      動は小さな起業家達をビジネス拡大のため、金銭的に支
      援することである。農村
での商売は銀行では信用が得られ
      ないため資本を獲得できない。プランが低利子で貸付を行っ
      て
いる。BIMASとプランとの協定は2000年に無効になり、
      それは現在ではautomous金融機関となって
いる。
      それは、Mbeere,Embu,Muranga,Meru South,Machako,
      Kitui,Kirinyaga地方で運営されている。

      毎週コミュニティで50Ks(75円)ずつ貯蓄をし、借金が返せ
      なくなった際グループのメンバーが負担
するか、貯蓄から
      返済するシステムで
      ある。

  2:00-2:30 BIMASメンバーを訪問
       小さな雑貨屋経営者であった。日本で言うと祭りの屋台の
       ような感じで出店しており、週に一
度ナイロビに仕入れに
       行くという。一日の売り上げは大たい一日700Ks〜800
       Ks(1050
円〜1200円)だという。毎週火曜のBIMASミー
       ティング時に902Ks(1353円)ずつ返済してい
くそうだ。
       BIMASからの自立を尋ねてみた所、大たい1~2年で自立
       していくらしい。自立は自分
達の意志で決定するそうだ。
  2;30-3;30 Kivaa/Kaewa、プラン・ケニアから職業訓練支援を受けた
       青年を訪問

       彼(Michael Bondo)は、元フォスターチャイルドであり、ペア
       レントは日本人女性だったそう
だ。支援されたお金は、大学
       に通う費用と、機会の購入に使用されたそうである。軽工業
       を営
んでおり、窓枠や、ケニアでよく見かけられる牛が引く
       車を製造していた。ケニアに来て初めて
製造業を見かけた。
    ☆職業訓練サポートについて
       プランは若者達に市場向きのスキルを身につけたり様々な
       異なったトレーニングにおいて、金融機
関へのアクセスを
       上昇させたり、貧しい家族のための個人の職業能力を高
       めたりする支援を行って
いる。Michael Bondoは技術の
       大学で溶接工としてのトレーニングを受けたものの一人だ。
       のちに溶
接の機会とグラインダーを支援された。彼はまた、
       ビジネス・マネージメントのトレーニングも受けた
のである。
       彼のビジネスはKaewa市場のショッピング・センターで運営
       されている。

   3:00-4:00 ホテルへ

・8/27(水)

  9:30-10:00 KiritiriPU事務所に到着
  10:00-11:30 Gikiiro 「dairy goat プロジェクト」見学
       私達が到着した頃は、見晴らしのいい丘の大きな木の下で村人
       達がミーティングをしていた。
ミーティング後、村人の家に招待
       され、ヤギのミルクをいただいた。

   ☆デイリー・ゴート・プロジェクト
      デイリー・ゴート・プロジェクトは2002年、1月に30のコミュニ
      ティのメンバー
      で始まった。彼らの主な活
動は収入増加のためにヤギを育てたり
      ミルクの供給の改善、人口増加に連れて牧草が減少し始めた

      きからの土の退化をコントロールしたりすることだ。メンバー達は
      プランにヤギ達に支援してくれとア
プローチし、2002年6月、30匹
      のヤギを支援され、現在彼らは56のメンバーになっている。彼ら
      は貯蓄
したり、家族達と一緒に動物の病気や緊急時のセキュリ
      ティ対応するためのプログラムを運営して
いる。
  11:30-13:00 Mavuria 「agri-business プロジェクト」見学
       20名以上の女性が運営する製粉場を訪問。彼らの主食である
      「ンガリ」(とうろこしの粉で
作る蒸しパンのようなもの)の
      ための粉を製粉している。
       年齢層豊かな女性達がのんびりと
仕事をしていた。
   ☆Agri-Business woman group
      このグループは2001年に始まり、主な活動はメンバー達の間に
      資金を循環させ、POSHO製粉場を
提供してくれる寄贈者を得
      て、現在では200以上のメンバーになった。それぞれのメンバー
      は1500
Ksずつの資本を貢献し、75,000Ks預金している。
      (銀行預金)将来の計画は輸出のための野菜を貯
蔵する乾燥
      機を購入する予定である。

  1:00-4:00  CDP/Sasito planning process 訪問
      小学校で子どもから大人までが自分らの生活改善のために何を
      改善すべきかという点に
焦点をあてプレゼンテーションしていた。
      大人のグループや子どものグループまで、黒板に
改善すべき点を
      まとめ皆の前で発表。小さな子どもが大人に負けないくらいに上手
      にプレゼ
ンをしている姿にとても驚いた。
      子ども達はコミュニティーのニーズとそのニーズの重要性に焦点
      を当てている。

   4:00-4:30  ホテルへ 

 ★まとめ

 大学3年になり、専門科目を履修する機会が増え、世界の各地域の経済を学ぶ講義
を沢山受けた。私は、
アジア、ラテンアメリカ、そしてアフリカの経済といった貧困が問題
となる発展途上国経済に焦点を当て選択し
た。これらの国々は、今まで学んできた「世
界のグローバル化」により最もダメージを受けた国だと感じる。アジ
ア諸国の一部はうま
くこの流れに乗り、急速に経済発展をなした国もある。しかし、今回訪問した「アフリカ諸

国」は全土にわたり「グローバル化」からの恩恵を授かっていない地域である。ケニアは
先にも述べたとおり、
その地に足を踏み入れた時点で世界各国の先進国からの「遅れ」
を感じさせた。経済発展とは工業化と国際
貿易が進むにつれてなされる。ケニアは農業
が労働人口の60%以上、国内総生産(GDP)のやく25%を占
めている。ケニアで知り
合った人に他国との貿易について尋ねたところ、あまり活発ではないという答えが返っ

てきた。ほぼ自給自足の経済であり、国際市場に足を踏み入れるには遠い世界である
という印象を受けた。
私達のドライバーを務めてくれた男性にNGOの研究をするために
ケニアに来たことを告げると、「自分の故郷も
非常に貧しく、NGOによる支援をお願いし
たい。」というPLANに対しての伝言を頼まれたり、道でJICAの車
と何度かすれちがった
りと、ケニアではNGOや国際援助団体の活動を知らないものはおらず、その存在はケ

ニア経済においてかなり重要な位置を占めていると思われる。
  私は、これまでNGOとは「ボランティア」であり、無償で貧困是正に強い意志を持った
各々が各々で活動して
いるというイメージがあり、それを市民社会の組織として位置づけ
ることは難しくどことなくあやふやな活動をし
ている気がした。しかし、講義や本を通じて
世界の経済格差や貧困是正のために重要なポジションにあること
を知った。国際会議に
も参加したりと、現代の世界の格差をなくすためにこれまでに世界的規模で活動をして

る。

 NGOは「非政府組織」であり、「公正と社会正義」を実現しようとする人々による人々の
ための運動体と定義
づけられている。今回研究したフォスター・プランというNGO団体は
先に述べた上からの「グローバル化」に対
する下からのすなわち民衆の側からの公正と
社会正義の「グローバル化」をどのようにつかみ取っていくのか
という問題設定に対しフォ
スター・プランはどのような姿勢で活動しているのかということを考えた。

 先ず、フォスター・プランの活動は、「子ども」に焦点を置き、子ども達が社会で能力を発
揮できる世界を実現
するために活動している。その子ども達がそういった世界で活躍す
るためには、もちろん生活環境の整備は最
も重要な位置を占めている。その意味で今
回見学した大人達の職業トレーニングや収入増加のための支援な
どのプロジェクトは子
ども達の成長にとって間接的に良い支援になっていると感じた。また、子ども自身に対し

ての直接的な活動では、今回青年の職業訓練の金銭的なサポートといったプロジェクト
も実施していると知っ
た。フォスター・プランは子どもに焦点を当てて援助活動を行ってい
るので、なるべく子ども達と触れ合いたいと
思っていたが、あいにく現在小学校や中学
校は夏休みで実際の子ども達の生活ぶりを見ることはできなかった。 しかし、フォス
ター・プランから援助を受けて建設された小学校を見学した。子ども達自身に関しては、
金銭的
な援助しか行っていないと感じたが、こういった援助も非常に重要なものであり、
成長には欠かせないもので
あると思う。このように、子どもに焦点は当てたものの、国
民一人一人の生活そのものを支える活動が間接
的、直接的に多岐に渡って援助がな
されており、フォスター・プランの規模を思い知らされた。日本事務所を見
学した時点で
その規模が納得できた。それは私が思い描いていたNGOとうって変わって、言葉では
言い表し
がたいがただの団体というより、本当に確立された企業のように思えた。企業
は利益を求めるものであるので
本当に言いあらわしがたい。各部署に別れ仕事を分担し、
それぞれの仕事をそれぞれに責任を持って運営し
ている。NGOと知らされなければ、
普通の会社と思えるほどに確立された組織であると思った。これにより細
かな問題点に
も目が回り、より明確に、そしてより確実に解決できる能力が備わることができるのであ
ろうと思
う。スタッフにはきちんと給料も与えられ、それぞれのモチベーションを損ねるこ
となく運営していくことで、質の
高い支援ができるのであろうと思った。エンブの事務所
も日本の事務所と変わらないほどに各部署を設置し
て、運営されていた。データ入力部、
会計部、管理部、photo copy、researching evolution、それぞれに仕事
が分配されてい
る。researching evolutionという部署にはJAICA出身の人や、元経済学者の人がいて、
専門
性が高い。また、備え付けられている機材もコンピューターなど最新技術を利用し
ており、データ管理もかなり
レベルの高さが感じられる。そういったきめ細やかさや、
それぞれが仕事に責任を持って取り組む姿に「ボラン
ティア」という言葉では言い表せ
ない。NGOは「ボランティア」ではない。そう感じた。

 しかし、NGOの活動で問われる問題の一つに自立を考慮した活動がなされているか
が挙げられる。よくNG
Oの援助に対して我がもの顔としてみない受け入れ側があると
されるが、PLAN・KENYAでの活動は、住民
主導型であり援助するのは金銭的なも
のが多く、あとは住民の意思を尊重し活動させている。事務所スタッフ
も全員がケニア
人で外国人は一人もいない。この点はフォスター・プランにおいて最も評価できる点で
あると
思った。現地のことは現地の人間で取り組むことにより、村人との意思疎通もで
きる。私達の案内をしてくれた
ダニエル氏も貧しい生活環境で育ったという。何より、
スタッフに住民の気持ちが理解できることがすごいこと
だと思う。上に立つものも同じ
国家の人間で、様々な人間とそれにあったコミュニケーションをとっていくことによ
り、
その地だけでなく、その国家の発展にもつながるのではないかと感じた。頻繁に行わ
れるミーティングは
住民達に問題意識を持たせることができ、目的に向かって一致団
結できる。その参加も、大人だけではなく子
ども達までも積極的に参加して後世の人
間にも伝えていくことができ、将来の発展のためにも重要な物とな
る。
 こういった活動は住民の意思の確立であり、皆援助からの自立を目標に勤めている
姿があった。金銭的援
助は一見、「金だけ」といった非常に投機的で後の始末は関係
がないといったニュアンスがあるが、「住民達
が作り上げる」といった先にも述べた「我
がもの」とさせる意識を備えることができるのではないかと思う。それ
に、定期的なN
GO側からの査察もあるので、フォスター・プランの活動は自立を試みた活動であると
評価した

い。
 実際、援助を受け入れる、村人の心意気や積極性もたいしたものであった。特に、
CDP/Sasito planning
processでは自分達の生活をどう改善したいか、何が問題かと
いった事を大人から子どもまでが、各々の意見
を発表しあうミーティングは自立意識
を持たせる「精神的自立」がなされると思う。私がこれまでに見てきたNG
Oはフォス
ター・プランのみであるが、フォスター・プランの活動はNGOの「自立」を前提とした理
想的な姿では
ないかと感じた。今回は実際の現地でのNGOの活動のみをテーマに
学んだため、援助側の活動の批判はし
がたい。しかし、非常に、現地住民と援助側
のコミュニケーションが定期的に行われているので、現地住民に
対するアカウンタ
ビリティ(説明責任)は十分になされているのではないかと思う。

 「アフリカの危機」(グローバリゼイションがもたらした、先進国によるアフリカへの支
配が貧困をよりもたらす)
に対する議論で、植民地支配の遺産が非常に問題視とな
る。今日の危機」の直接的な原因は、植民地支配
にあり、植民地支配こそがアフリカ
社会を今なお大きくゆがめた元凶であるとされていた。この歴史的責任の
下に、アフ
リカ援助において、アフリカ社会を無意識のうちに「救済」や「是正」の対象からみな
す「先進国側」
からのメンタリティがある。意識的に自らのポジションを優位に、アフリ
カを劣位に置くアフリカ認識だ。

 ここで、先進国側が獲得しなければならないのは、「危機」を生きる人々を「一方的
救済対象」としてみるの
ではなく、外部からの諸条件と葛藤し対処する主体として据
える視点だ。これに対して、近代では「アフリカの
自己責任」を問う立場が登場してき
た。それは「独立後30年も経つのにすべてを植民地支配のせいにするの
はまやかし
である。」ということである。アフリカ諸国が歴史的事実にばかりこだわり、自らの力で
改善しようと
してこなかった政府に対する責任は否定できないものである。アフリカを
援助することで葛藤となるのはこの双
方、つまり先進国(援助)側とアフリカ側の姿勢
が両者にも最も重要な意識である。

 その意識は援助側(NGO側)とアフリカ国民側にはどう備わっているのかを確かめ
てみたいと思ったのだ
が、言語力の乏しさに、それを追求することはできなかった。
ダニエル氏と食事の最中にさりげなく植民地時
代の話題を出してみた。私はアフリカ
の悲しい歴史を話題に出すのは良くないのではないかと感じたが、彼は
何のためらい
もなく植民地時代について語っていた。(何を語っていたのかはあまりよく覚えていな
いが)。そ
んなダニエルの姿はもはや、自らの貧しい幼少期を経て、現在援助側の立
場になり、切実に活動をするアフリ
カ国民の一人として、歴史的事実は関係がない。
今、直面しているアフリカ側の「自己責任」という問題に対し
正面から向き合っている。
そう思った。それに比べ、私は心のどこかでこれまでのアフリカ認識から、先にも述

た、先進国側の優位性という意識を持っていたのかもしれない。

 NGOのフィールド・ワークを実際に見て、私の中で、援助していく上、また援助を研究
していく上でその概念
の変革が、この訪問によりなされたと思う。


   FOSTER PLAN KENYA 活動報告
W13 久保田 紋子
      

○ NGOの存在

・私たちを3日間案内してくれたダニエルさんは、貧しいコミュニティーで育ったため、
コミュニティーの代表と
してNGOの仕事をしていると語ってくれた。NGOとは貧しい
人々のために行うものであるから、そのような人々
を代表して仕事をするのは当然
の事であるが、ダニエルさんの言葉には重みがあった。貧しい家庭で育ち、貧
しさを
経験しているからこそ、NGOの仕事に打ち込めるのだと思う。私のように先進国で
育ち、途上国の貧困
の状況を知ってNGOで働こうと思うのとは経路が違うけれども、
NGOに対する気持ちは同じである。
・NGOは、「公正と社会正義」の実現と、社会
的に弱い立場に追いやられてしまっている人々を支援するため
にある。先進国に住
む私たちがNGO活動を通して貧困を解決する時は、昔から住んでいる土地で、地域
人々をよく知っているのとは違い、その土地の文化や歴史などを理解したうえで行
わなければいけない。住民
代表としてNGO活動を行うのだから最低限の事であるが、
これを怠るNGOが多いように思える。また、その
土地の文化や歴史だけでなく、自
分たちの文化や歴史を認識することも同時に要求されることも忘れてはなら
ない。
・私たちがNGO活動を行ううえでもう1つ忘れがちになってしまうのは、問題の原因
を理解するということであ
る。植民地、戦争、現在の過大な資源利用、安価な輸入品
など、これらの問題は、他でもない私たち先進国
が引き起こしたものである。そして、
いつの間にか先進国は他国を支配したり、他国と争ったりと自己中心的
になってし
まった。今日のグローバル化の進行も、先進国中心で、先進国のためにあると言って
も過言ではな
く、世界の富が上手く分配されていない。このような社会を作り上げてし
まったことが1番の問題である。また、
政府の役割の欠如の結果として非政府組織と
いう名のNGOが作られた。本来NGOは存在しなかったものだ
から、NGOという組
織があること自体問題である。このようなことを理解しなければ、効果的な支援は望
めな
い。
・先進国と途上国の格差を無くすために、そしてこの世界の人々が同じ人権を持ち、
平等であるためには、1人
1人が社会に参加でき、不利な立場に置かれないように
するべきだ。そのためには、金持ちのためのグローバ
ル化ではなく、全ての人のた
めのグローバル化が推進されるようにすることが不可欠であり、NGOの最大の
目的
である。また日本のNGOは未熟であると言われていているので、まず先進国に住ん
でいると自覚し、日
本人の途上国に対する意識を変えていかなければならない。フォ
スタープランの会員数を見てもわかるよう
に、日本の会員数は欧米に比べて明らか
に少ない。他のNGOの報告書などを見ると、内容も劣っていること
がわかる。今後
日本のNGOは、様々な世界の動きに関心を向け、欧米のNGOに劣らないように
なる必要が
ある。先程にも述べたが、NGOは最近作られたもので、本来はなかった
ものであり、なくすべきものである。
政府自身が住民主体になり、自然とNGOの需
要が減少し、最終的にNGOが必要とされない世界になること
を願う。

○ まとめ

・住民に押し付けるようなNGOがあり、失敗例を沢山知っていたので、私たちが見学
させてもらったフォスター
プランケニアが想像以上に住民参加型だったということに、
ただ感動してしまった。住民がミーティングなどに
意欲的に参加している姿を見て、
このような環境作りが住民を自立へ導く第一歩だと思った。ケニアのこれら
のプロジェ
クトは、USAIDなどと連携して行っている。そして、フォスタープランの活動はお金を与
えるのではな
く、所得を上げるように職業訓練をしたり、開業資金を貸したりすることは、
地域が自立するための近道だと思
う。フォスタープランケニアの職員の方2人に理想
のNGOを聞いたところ、2人の方々から「1人だけではなく皆
で作り上げるもので、自
立を目的としている。」、「お金を与えるのではなく、サービスを提供し、人々のふるま

いや意思を変化させることである。」と答えてくれた。私もこの意見に賛成で、今回の
見学を通してこれらは難
しいことだと再確認し、NGO活動を行うのにとても重要なこと
だと思った。

・私は今年の春にインドに旅行に行った時に、色んな都市でストリートチルドレンや
老若男女の物乞いの人た
ちがたくさんいるのを目にし、日本人の私たちを見るとすぐ
に物売りも寄ってきたのを鮮明に覚えている。そし
て、親が子どもに物乞いをさせて
いる現場も何度も見た。この時、これら全てが貧困からきているものだと思
い、少しで
も早く貧困を無くさなければいけないと何度も痛感した。

・しかし、ケニアではこのような思いはせず、ケニアの人々は生活にゆとりがあり、
ケニアの人々や伝統、豊か
な自然を壊してまで貧困をなくして欲しくないと強く思った。
確かに貧困改善は重要であるが、兄弟やいとこが
たくさんいて楽しそうに遊んでい
るケニアの子どもたちを見て、私は逆に羨ましかった。短い間だったが、ケニ
アでケ
ニアの人々と生活している時に日本では感じられない幸せを味わえた。私の目にケ
ニアは非常に新鮮
に映るとともに、日本について改めて考えさせられ、価値観、家族
関係や社会の関わり合いを見直す必要があ
ると感じた。日本は経済的に豊かになる
一方で、心が荒んできて、心のゆとりがなくなったのが原因ではない
か。私を含め、
日本人のほとんどにゆとりがなく、毎日を忙しいと感じている。だが、途上国でも生活
に追われ
ていて、忙しいのは日本と同じである。それでも子どもは親を手伝い、家族
のために働いている。日本人は、
いつの間にか大切なものを忘れてしまった気がす
る。ケニア人はポレポレ(ゆっくり)という言葉が似合い、みん
な親しみやすく、良いと
ころがたくさんあるので、ケニア独自の文化や伝統に基づいて、これらを維持しつつ経

済発展していって欲しい。そして、経済発展に特化するのではなく、日本を始めとする
先進国が達成できな
かった、文化や人類などの発展も行って欲しい。
 
○ 資料

 ★支援者からの援助金が活動地域に渡るまで



 
 ★フォスタープランの活動国(黒字)と支援国(赤字) 2002年




   ・全フォスターペアレント数  92万1千人
     オランダ21万7千人 ドイツ13万6千人 カナダ10万2千人 
     イギリス10万人 日本4万7千人   

   ・全フォスターチャイルド数  128万4千人
     インド7万7千人  ケニア7万人 エクアドル6万3千人 
     グアテマラ4万4千人  


   ・援助プロジェクト費は世界で2億3450万USドル
                
 2002年度 収入(単位:1,000USドル)
フォスターペアレント援助金 249,433
寄付金 57,127
配当利息・資産運用             1,381
合計   307,941

 2002年度 支出(単位:1,000USドル) 
援助プロジェクト費          234,500
広報費           25,944
管理費 32,683
合計 293,127


★フォスター・プラン料金体系の国際比較
国名 料金体系 換算
(1ヵ月)
レート
日本 1ヵ月5,000円、4,000円、3,000円 \3,000 1
イギリス 決まっていないが、最低が1ヵ月
12ユーロ
およそ\1,500 125
アメリカ 1ヵ月24ドル およそ\2,600 108
カナダ 1日1ドル(1ヵ月31ドル) およそ\2,600 83
オーストラリア 1ヵ月35ドル、3ヵ月105ドル、
半年210ドル、年に420ドル
およそ\2,700 77
  参照:各国HP、レートは11月12日のもの


★各国の支援金の割合



















★フォスター・プラン・データ(ケニア編)

国名 活動
開始年
チャイルド数
(前年度比)
日本のペアレントを持つ
チャイルド数(前年度比)
職員数
ケニア 1981年 69,681人(96.4%) 2,798人(64.9%) 324人


★フォスター・プラン・ケニア活動成果

保健分野 通信と交流分野
診療所の建設/修繕 1件建設 子どもの権利啓発キャンペーン 49回
診療所への医薬品支給 70人 コミュニティ・ボランティアトレーニング 538回
歯科検診・治療 727人 教育分野
予防接種 113人 幼稚園建設/修繕 19件
助産婦のトレーニング 738人 小学校建設/修繕 34件建設
204件修繕
居住環境分野 中学校奨学金支給 男子1,076人
女子1,234人
家屋建設/修繕 179件 収入増加分野
家のトイレ建設 159基 農業技術指導 3,629人
学校のトイレ建設 102校 助成対象職業訓練 172回
給水設備(井戸) 89コミュニティ 家畜支給 150件
水管理トレーニング 176回 種子支給 9,918件
地域の道路整備 4km 小規模の経営指導 325人


★ケニアでの活動地域
   

・ コスタルプログラム(1994年)  ニャンザウェスタン(1994年)   
 エンブ(1981年)

・ メル(1981年)  キアンブ(1987年)  タイタ・タベタ(1986年)
・ チョニ(2001年)                                      
 ★ ( )内は活動開始年