海外特別研修報告:タイ〜ラオスの旅

 W16 瀧川 愛子
W16 塚本 篤史
W16 板倉 沙織
    *関連記事:『ニュース専修』(2005年10月15日号)

    ■日程:2005年8月2日〜8月11日 
  旅行費:15万5千円
  ■通貨と為替レート1キープ=0.01円(ラオス)、1バーツ=2.8円(タイ)


 <スケジュール>

  ☆8月2日(火)
     11:00 成田発
     15:30 着後、バスにて市内のホテルへ(バンコク泊)
        夕食後、ハッポン通り(売春街)視察
  ☆8月3日(水)  バンコク滞在
     10:00 PDA(Population&Community Development Association)訪問
     12:00 レストラン「Cabbages&Condoms」にて昼食
     14:00 ドゥアンプラティープ財団訪問。クロントイ・スラム活動視察
  ☆8月4日(木)
     13:40 バンコク発 空路、ウドンタニへ。
     14:45 着後、友好橋を渡り車上にて国境越え!!ラオスのビエンチャンへ途中、ワットシエントーン
              見学 その後ビエンチャン市内のゲストハウスへ

  ☆8月5日(金)
     午前 ラオス国立大学ラオ日本センター学生との交流会
     午後 ラオス国立大学経済経営学部訪問
  ☆8月6日(土)
     午前 ラオス国立大学ラオ日本センターにて鈴木基義先生の講演を受講+
     午後 ラオス学生とビエンチャン市内見学(パトゥーサイ、タートルアン、ワットシーサケット)
     夕刻 ペンマイ毛織物工房にてホームステイ
  8月7日(日)
     午前 ゲストハウスへ
     午後 ラオス学生と自由時間を過ごす
  8月8日(月)
     8:30 ラオス政府産業省縫製業担当課視察
    10:30 縫製工場視察(Factory Garment)
       午後 CARE−LAO訪問政府保健省訪問
  ☆8月9日(火)
     午前 HANDICAP INTERNATIONAL訪問ラオス保健省訪問
     午後 メコン委員会訪問ラオス政府女性同盟訪問(?)
  ☆8月10日(水)
     10:30 ビエンチャン発。空路にてタイのバンコクへ
     11:35 バンコク着。その後、ILO(International Labor Organization)訪問
        UNDPタイ事務所(United Nations Development Program)訪問
     
    23:10 バンコク発 日本へ
  8月11日(木)
     7:30 成田着 解散 

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  ★タイでの訪問先★

1 パッポン通り・タニヤ通り
   バンコク市内にある、風俗街。ネオンがすごくて、日本語のメニューを持った人が客引きをしていた。バー
    の中では、水着姿で番号札をつけた女の人たちがたくさん台の上にいた。


  2 PDA
    1974年設立。もともと「家族計画」の活動で人口増加を防いでいたが、今は、エイズの予防、情報伝
     達、治療のどの活動を行っている。設立者のミチャイさんがいちはやくエイズが深刻な問題になると訴え
     かけ、コンドームを普及させた。コンドームで作った造花がたくさん飾ってあった。「Cabbages&Condoms」
     というレストランも経営していて、世界中のコンドームが飾られていたり、ガラスのテーブルの下にコンドー
     ムがたくさん並べてあったりしてあった。

   3 プラティープ財団
   バンコク市内のクロントイスラムと、財団の幼稚園を見学した。設立者のプラティープさんは16歳のときに
    スラムの子どもたちを集めて「1日1バーツ学校」を作った。今では、無料の学校になり、プラティープさんは
    クロントイ以外のスラムのことも考えて、国会議員として活動している。

   4 ILO
   地元住民を主体として、トラフィッキングに対する意識向上、識字教育、収入向上・雇用創出めざす職
    業訓練を行っている。5地域に現地スタッフがいる。

 ラオスでの訪問先

  1.仏教テーマパーク
   裕福なラオス人、グンルアが1950年ごろ作る。
  ※ラオスの宗教事情
   ・ラオスは95%仏教徒
   ・ピーと呼ばれる精精霊を恐れる、土着の精霊信仰もある。
   ・仏教と、精霊信仰が、独特に混ざり合っている。
   4〜14世紀の間はヒンズー教が信仰さていた。
   14世紀に仏教が入ってきてから今までは仏教信仰。

2.ラオス国立大学ラオス日本センター
   ・JICAのプロジェクトの一環。
    ・ラオス人学生30人ほどと日本人学生5人の交流。
   ・日本の紹介、ラオスの紹介。
   ・ラオス人学生。デジカメ、携帯を持っている。
   ・ラオスの学生は日本語が話せる。

  3.ラオス国立大学経済経営学部
 (1)学部長に話を聞いた。
  ・ADB(アジア開発銀行)が1995年から支援していたものを、JICAが2000年から引き継ぐ。
    ・ラオス唯一の国立大学
  ・昼間コースと、夜間コースがある。昼間の授業料は無料。(夜間は7ドル/一ヶ月)
 (2)JICA専門家に話を聞く。
  ・日本へ留学したい人は、奨学金提供を依頼する書類を書く。
  ・その書類作りを手伝う。
   ・JICA,JICE(25人募集)が奨学金を出す。
   ・入学者の50%が中央試験での入試分で、50%が各県割り当て分。
  ・政治家のコネや、金絡みで入ってくる学生がいる。(←公務員の給料が少ないため、汚職に染まる)
   ・フランスや、ソ連の植民地だったため、英語の話せる人が少ない

4.UNDP in Lao
  ・国際機関の取りまとめ役
  ・影響力のある人にHIV./AIDSの情報を知ってもらうための活動。
  ・HIV/AIDSのための国家委員会を作る。
  ・厚生省で、HIV/AIDSの感染者に働いてもらう。
  ・経済発展について、ラオスで企業するのに200日かかる。(→産業省で質問)

  5.ラオス国立大学ラオ日本センターでの講演
  ・ラオス日本センターでの講演会日本に留学経験のある人たちが集まって、日本とラオスとの交流を深め
    ラオスの未来についてのフォーラムに参加した。

  ・ラオスの知識人たちがどのような未来を描いているのかがわかった。
 ※鈴木基義先生の講演
  ・ラオスの人権費が安い、国道が作られ、交通の便が良くなる、半日感情がない、ラオス人はまじめなど
    の特徴から労働集約的な工場を誘致することへのメリットを説明。

  6.政府産業省
  ・課長から話を聞く。
  ・援助もいいが、投資をしてくれ。と強く勧められる。
  ・工場誘致など、外国投資が増えることによって経済の活性化が図れる。
   Q:企業するのに200日かかることに対しては?
   A:仲介者が時間とお金を奪っている、これは、良くないが仕方がない。

  7.ハンディキャップ インターナショナル(Handicap International)
  ・防止、リハビリ、社会統合の3段階で活動を行っている。
  ・交通事故が増えているため、ヘルメットをかぶるように、キャンペーンを行っている。
  ・生活保護など、障害者のための保障制度はない。
  ・養護学校は国内に2つある。

  8.プアン・ミット(Peuan Mit)
  ・ストリートチルドレンのために活動する団体、フレンズインターナショナルのラオス事務所。
 ※ここでのサービスを受ける子ども
   @路上に住んでいる
   A路上で働いている(家に帰る)
   B路上で生活している
   Cいずれ路上で生活しそう
 ※活動内容
   @普及活動
   A予防活動
   Bセンター活動
   C統合活動
  ・夜仕事をして、センターで昼間に寝ている子どもたちがいた。
 ・性産業に携わっている可能性もあるというが、スタッフは、辞めなさいとは言わない。なぜなら、スタッフに
  対する信用がなくなってしまうから。たくさんの大人が、冷たい目で見るから。しかし、HIV/AIDSや、性病
  の防ぎ方や、ほかの仕事の情報など、知識の植え付けは行う。

  9.ラオス保健省
 ・HIV/AIDSや、性病の防止をしているセンター
  ※ラオスにおけるHIV/AIDS患者のデータ

    男女比   男:女=6:4
    主な理由  異性間の性交渉
    仕事  1位 タイへの出稼ぎ労働者
         2位 主婦(生産業に従事している可能性あり)
    場所  1位 サバナケート
         2位 ビエンチャン(首都)

  10.メコン委員会(Mekong River Commission)
    ・アジア最大の川、メコン川に隣接する国と地域のための国際機関。
   ・加盟国や、そのほかの国からの資金で、多国間援助を行う。
   ・加盟国と、その担当部署
      カンボジア:情報
      タイ:環境
      ベトナム:運営
      ラオス:
  ※質疑応答にて
    Q:ナムトゥンダム建設で、多くの人々が移住させられ、多くの環境破壊を引き起こすことについてどう
      思うか。

    A:保健衛生の整った地域に移住でき、きれいな家が与えられるからアンケートではほとんどの人が
     移住に賛成だと言っている。(←言論の自由がないので、アンケートの信憑性が???)

  ・また、NGOが、環境破壊だと言っているけど、NGOのデータに、信憑性がない

  11.ラオス女性同盟
   女性の社会的地位を向上させるための組織。
   ・織物の専門店があって、女性が織った商品を売る。
  ※ラオスの女性について
   ・低地ラオ族は、一番下の女の子が家を継ぐ。
    ・このことからもわかる様に、家庭内での女性の地位は高い。
   ・しかし、法の未整備などにより、社会的地位は低い。
   ・社会主義国家だということもあり、女性の企業家は少ない。


感想>

 ■塚本:今回のラオス・タイでの10日間の旅は本当に充実した旅だった。多くのNGOや国連、政府機関を周
   りたくさんの情報を学び、ラオス・タイの歴史や文化に触れ、たくさんの現地の人々と触れ合い、また現地の
   様々な問題について苦悩し、日本では決して見ることの出来ないメコンの夕日に感動し、色々なものに見
   て、触れ、感じることができた。

  この旅行中、初めから最後まで皆でずっと笑っていた気がする。改めて人の暖かさと、人との繋がりの大切
   さを教えてもらった旅だった。

 ■板倉:大変貴重な体験をさせてもらったと思う。うまく動けている国際機関やNGOは、上からも、下からもアプ
   ローチをしている。
草の根で活動するときは、住民主体でやるのがよい。そのために、住民の中に入ってい
   けるよう努力することが大切だと思った。

  上からのアプローチとしては政府に働きかけることが重要だが、国連や、ある程度認められた大きなNGO
   しかできないことだ。


 ■瀧川:ラオスの食事はおいしかった。ビアラオがおいしかった。添乗員さんが楽しかった。ラオスの人はみんな
   笑顔が素敵だった。優しかった。