フィリピン ボラスタツアー

W18 山口 洋一

 ■期間:2008年824日〜93日(1011日)
  主催団体NPO Hope Scoop Asia  旅行企画株式会社 風の旅行社
  ■費用185,430円(航空券、燃料費、宿泊費、食費、保険料、お小遣いなど全
   て含む)

  ■為替レートP1(1ペソ)2.5
  物価:○水(500ml)P10(25)  ○コーラ(500ml)P18(45)  
      ○
ビール=P20(50)

<概要>

  ・このボラスタツアーは、主に「NPO P&J Children’s Home & Village」と
 いう孤児院でそこに住む
5人の子どもたちと生活を共にする中で、ハウス
 マザー業務、公立孤児院出張ボランティアを通して、フィリピンにおける
 「放棄された」子どもたちについて学び、ボランティア活動をするという
 ものである。

  ・また、小学校見学や現地小学生との交流会などもあり、多くの子どもたちと
 ふれあい、総合ワークショップを通して、参加者同士の意見交換をする場が設
 けられている。


 <日程>

日程

ツアースケジュール

8/24(日)

9:30成田発→13:30マニラ着 マニラ史跡見学→20:00P&J到着

8/25(月)

レクリエーション・P&Jボランティア(ワークキャンプ)

8/26(火)

公立孤児院出張ボランティア

8/27(水)

公立孤児院出張ボランティア

8/28(木)

トライシクル試乗・小学校見学・市場見学・交流会準備

8/29(金)

交流会準備

8/30(土)

交流会準備・現地小学生の交流会・ミサ見学

8/31(日)

Mt.サマット見学・アメリカ型巨大モールでショッピング

9/1(月)

ハウスマザー業務補助

9/2(火)

大掃除・総合ワークショップ・フェアウェルパーティー

9/3(水)

9:00P&J出発→14:45マニラ発→21:00成田着

 ・これに加え、早朝600からワークキャンプ(いけす作り)、ほぼ毎晩
  20
00から約2時間のフィードバックミーティングが行なわれた。

 <「放棄された」子どもたち>

  ・フィリピンでは、子どもを「放棄」すること、つまり「捨て子」が合法化さ
 れている。その背景には、経済面で子どもを育てられない環境や子どもを産み
 たくなくても産まざるを得ない環境がある。

 ・子どもを産みたくなくても産まざるを得ない環境を形成しているのが、フィ
 リピンにおけるカトリックの信仰である。カトリックでは、人工中絶はもちろ
 んのこと、人工的な避妊(コンドームなどによる避妊)はご法度とされてい
 る。そのため、売春や強姦などによる望まない妊娠の際にでも、産まざるを得
 ないという状況に陥ってしまう。

 ・そういった宗教と現状の矛盾が、子どもの「放棄」の合法化を形成した。そ
 のため、子どもの「放棄」を望む女性は妊娠しているうちに、子どもの「放棄」
 を申請することで、出産と同時に子どもを孤児院へ送ることが可能となってい
 る。

 ・子どもの「放棄」の合法化に伴い、フィリピンにおける孤児院の需要が高ま
 り、現在フィリピンには
81もの州があるが、最低でも州に必ず1つは公立孤児
 院が設けられている。また、
  「
NPO Hope Scoop Asia」が経営しているような私立孤児院も多い。

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 <感想>

 ・わずか1011日という期間ではあったが、「フィリピンといえばバナナ!」
という安直なイメージから逸脱するのには十分すぎる期間であった。

 ・正直なところ、カトリックという宗教上の問題は、信仰心の少ない自分に
とって理解しがたい部分も多く、ミサ見学へ行っても何の関心も抱かなかった。
そのため、カトリックさえやめれば子どもの「放棄」という問題は解決できる
と考えていたが、そのような簡単な問題ではないようだ。

 ・いろいろな事情を持つ子どもたちと触れ合ってきたが、その事情や過去に
ついて同情するのは大きな間違いである。大事なのは、子どもたちの現状を把
握し、その子どもたちの将来や人生について考えることだ。これが、このツ
アーを通して、自分なりに考えたことである。

 ・子どもを「放棄」するという現実を知り、またそういった子どもたちと触
れ合うことで、満たされていく感情や知識を、ツアーの過程ですぐさま実感で
きたことが、何より自分を大きく成長させた。

 ・また機会を見つけて、自分が出会ってきた子どもたちがどのように成長し
たか、見てこようと思う。