はしがき
本論文集は、室井ゼミナール第17期生の卒業論文集である。この学年は、中国・西安の西北大学と同じく北
京の対外経済貿易大学に各々1年間留学していた三上浩司君と本多健一君を加えて、合計15名の卒業とな
る。通常のゼミ活動に加えて、春・夏のゼミ合宿、鳳祭へのFair
Tradeの出店、経済学部ゼミナール対抗ソフト
ボール大会、そして片品温泉1泊旅行など、私にとっても想い出の多い学年である。
ここ数年、各年代の卒業生に勝手にニックネームを付けているが、この第17期生には、「一七(いちなな)期
生」から「ち」(流血・戦争)と「な」(虚栄の名声)を一つ落として、「いな」、それをひねって「いなせ会」と命名することにした。「いな」は出世魚「ぼら」の幼名で、「いなせ」はそのピンと張った背びれのことである。「いなせなやつ」
というのは、「いな背」のような髪型(まげ)を結った、「粋(いき)」で威勢のいい若者のことをいう。世の中の荒波
に流されることなく、若い時代に感動したことをいつまでも「純粋」に持ち続けて欲しいという願いと、「出世魚」の
ように大きく成長してほしいという願いを込めてみた。
本論文集に収めた卒業論文のテーマは、「中国分裂論―ニワトリがひよこになる日」「巨龍のゆくえ―中国は
脅威? それともパートナー?」「アンコール・ワットに魅せられて―クメール建築の魅力」「名族
芦名家―戦国時
代を生き抜いた知られざる武将」「Fair
Trade
―Happy Trade の可能性」「一家只生一个孩子―中国の人口問
題」「祭―各地に残る昔ながらの伝統」「銀幕への憧れ―これであなたも映画通
!!」「住まい―日本の文化」「経
済成長の理論と国際経済の動向」「幸せを求めて―ハンセン病問題が奪ったもの」「地球を救え
! ―破壊者から
共存者へ」「虚構―スガル人々」「神からの贈り物―Sunday
Silence 物語」「A Revolution
of Employment―雇
用流動時代の到来」である。
第17期生もまた、その自由さを謳歌してか、各自のテーマは随分と多様である。だが、自分が最も関心を抱く
問題に対して深い洞察を加え、自らの存在との因果関係を探るという知的行為こそが大切なのであるという、私
の<南無阿弥陀仏>を各人なりに理解し、それぞれ力作であるように思う。また、第20期生15名の応募論文を
合わせて掲載した。初心を忘れることなく、ゼミを盛り立てて欲しい。
2003年12月日24日 室井 義雄
(2003年12月18日 向ヶ丘遊園にて)
目次
はしがき(室井 義雄) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
I. 中国分裂論―ニワトリがひよこになる日(W11-027 三上浩司)‥‥‥‥‥‥‥‥‥
II. 巨龍のゆくえ―中国は脅威? それともパートナー?(W12-305 本多健一)‥‥‥
III. アンコール・ワットに魅せられて―クメール建築の魅力(W12-031 本田
武彦) ‥‥
IV. 名族 芦名家―戦国時代を生き抜いた知られざる武将(W12-039 芦名 絵里香)‥‥‥‥‥‥‥
V. Fair Trade ―Happy Trade の可能性(W12-043 飯沼 美和)‥‥‥‥‥‥‥‥‥
VI. 一家只生一个孩子―中国の人口問題(W12-060 若山 透) ‥‥‥‥‥‥‥‥
VII. 祭―各地に残る昔ながらの伝統(W12-062 七戸 理恵) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
VIII. 銀幕への憧れ―これであなたも映画通 !!(W12-063 安川 由佳) ‥‥‥‥‥‥
IX. 住まい―日本の文化(W12-087 山口 学) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
X. 経済成長の理論と国際経済の動向(W12-161 大嶺 ちひろ)‥‥‥‥‥‥‥‥
XI. 幸せを求めて―ハンセン病問題が奪ったもの(W12-175 五十嵐 亜里紗) ‥‥
XII. 地球を救え ! ―破壊者から共存者へ(W12-187 神作 美代子) ‥‥‥‥‥
XIII. 虚構―スガル人々(W12-215 和田 充) ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
XIV. 神からの贈り物―Sunday Silence 物語(W12-218 覚正 一寛) ‥‥‥‥‥
XV. A Revolution of Employment―雇用流動時代の到来(W12-223 舘石 優) ‥
XVI. 「室井ゼミ応募の動機と私のやりたいこと」
W15-031 松下あず実・W15-040 後藤奈緒美・W15-049 藤巻伸悟・
W15-053 笹山優一郎・W15-057 石井沙織・W15-066 青木梨奈・
W15-090 灰塚祐輔・W15-114 小野舞子・W15-121 近藤理恵・
W15-186 村松愛・W15-190 北野茜・W15-193 鈴木孝彦 ‥‥‥‥‥
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